蚊が吸った血は俺の血なのか

ふと。
右手のマウスをいじっている人差し指がかゆい感じがしたので
無意識に左手でかいてみると。
左手が血に染まった。
真っ赤な感じの血だ、きっと俺は健康なのだろう。
で、、
よく見ると蚊が死んでいる。
こんなに沢山の血を短時間で吸い上げたこいつはすごいやつだ！
俺は血まみれの左手でティッシュを探した。
それで手を拭くのだが、血がとまらない。
どくどくどくどく
流れている。
ティッシュは血を吸いきれなくなって、左手の上であたふたしている。
やがてパソコンのキーボードも真っ赤
になってしまった。
血は流れ続けて、それと一緒に俺の自我も流れて行ってしまう。
空っぽになった俺の目は床の血ダマリを見つめている筈なのだけど。
俺はそこにはいなくなっている。
俺は蚊だ。