Pの日記

ただのにっき

光陰矢の如し

うっかりしたら、6月16日になっていた。
これは過去を振り返って書く日記である。
でも過去にこの日記が読まれていたなら、それは未来日記である。
というわけで、6月12日の俺を振り返ってみよう。
「6月12日の俺、今日は何をしてた?」
「うーん、それが思い出せないんだよ。」
「それじゃ、もうわすれちまったのか?」
「そうは言うけど、お前は6月16日の事がわかるのか?」
「うーん。…何も思い出せない。」
「そうだろ、この日記は6月12日に書かれたんだから、
6月16日の事なんてわかるわけないんだよ。」
「うーん、そうか。いや、でも俺はさっき風呂に入っていたぞ。」
「それは本当に6月16日の事なのか?今日の事かもしれないぞ。」
「うーん、そうかなあ?」
「ところで君は誰なんだ?」
「6月12日の君だよ」
「じゃあ、俺は誰なんだ?」
「6月16日の俺だよ」
「二人いるっておかしくないか?」
「いんだよ、日記なんだから…」
(終劇)